まずは英雄クロニクルの魅力について述べ…たいところなのですが、実はこれがとても難しい。 (「初心者さん向けのページで魅力を語れないとは、なにごとだ!」と他のプレイヤーさんに怒られそう。)
魅力を一言で説明するのが難しいので、まずはどんな感じのゲームなのかを説明することにします。
英雄クロニクルはジャンル説明の難しいゲームです。
表面的というか第1印象としては、SRPG(シミュレーションRPG)です。
ファンタジーな世界観。剣や弓、魔法を使って戦う感じのシミュレーションです。
戦闘を行うと経験値を得ることができて、レベルが上がって自分のキャラが強くなっていきます。
また戦闘を行なうことで功績を得ることができます。功績に応じて階級がアップしていき、最も上の階級である「英雄」を目指すゲームです。まさに英雄クロニクル!
「理想の英雄は 自分で作れ!」
上は公式PVの最初に出てくる言葉です。
英雄クロニクルは、キャラを作成し、育て、愛でるゲームです。SRPG部分はそのための下地です。 SRPGというスポンジの上に、キャラ作成という生クリームやフルーツが乗っているのが、英雄クロニクルです。
よくあるSRPGは、ゲーム制作側が用意したキャラクターを動かして遊びます。 遠征チームの編成などの自由があるものは多いですが、キャラクターそのものはほぼ決まった性能になっています。
主人公キャラを作成可能なことは多いですが、その他大勢まで作成できるゲームは少ないでしょう。 (もちろん、まったくないとはいいません。)
英雄クロニクルの場合、キャラクターは自分かあるいは他のプレイヤーが作成したキャラクターです。 ゲーム制作側が用意したキャラクター(NPC)も0ではありませんが、9割以上はプレイヤーキャラクターを使って遊びます。
このようなゲームであるため、キャラクターの性能に影響を与える項目(道具や武器/その武器を使うためのスキル/特殊能力/不利になる弱点など)を数えると400種類近くもあり、それを取捨選択してキャラクターを作成します。
そうして作成したキャラクターは、経験値を得たり、強力な装備を身にまとうことによって強化・成長していきます。
装備も性能を変える要素があり、組み合わせることができため、(キャラクターほどではありませんが)いろいろな装備をつくることができます。
こうしたこともあって、完全に性能が同じキャラクターはほぼいません。 (基本がSRPGであり、そこに最適な性能を追求すると性能が似てくることはありますが、100%完璧に同じというケースは見た記憶がありません。)
そうやって生み出されたキャラに愛着を持つのは当然のことです。
まさに、理想のキャラは自分で作れ! そして育てて、愛でるのです。これは他のコンピューターゲームではなかなか味わえません。あえて言えばTRPGに近い感じの魅力でしょう。
英雄クロニクルが、細々とではありますが10年以上も続いているのは、こういった面が大きいかと思います。
英雄クロニクルはSRPGなので、戦闘をします。
敵が待ち構えるマップ(防衛拠点)に乗り込んで、そこにいる敵を全滅すれば勝利。逆に全滅できなければ敗北です。
そのマップ(防衛拠点)の多くは、他のプレイヤーが準備した拠点です。
そのマップに配置されている拠点のユニットのほとんどは、他のプレイヤーの作成したキャラクターです。
遠征側は、自分キャラ+他プレイヤーのキャラで遠征チームを組みます。
拠点側は、その拠点プレイヤーキャラ+他プレイヤーのキャラで、防衛チームを組みます。
その2つが戦います。
という構図になっています。
このことはSRPGという意味だけでなく、キャラ作成にも影響を与えています。
遠征に向いているアタッカーキャラを作るプレイヤーもいれば、防衛に向いているディフェンダーキャラを作る人もいて、キャラ作成のバリエーションを増やしているのです。
ゲームジャンルの1つにTD(タワーディフェンス)というものがあります。 大量に攻めよせてくる敵を、自分のユニットを配置したり、操ったりして迎え撃つゲームです。
英雄クロニクルの場合、拠点プレイヤー視点で見ればTDに近いゲームでもあります。一般的なTDと違って防衛時には操作ができませんが、ディフェンダーキャラを配置して拠点を護るところは同じと言ってよいでしょう。
一般的なTDは、攻めよせる敵はコンピューターが操る敵であり、人間視点で見ればワンパターンな行動をしたり、愚かな行動をしたりします。いっぽう英雄クロニクルの場合は攻めよせる敵を人間が操っているため、とても狡猾です。
当然のことながら拠点防衛しきることはめったにありませんが、逆にだからこそ防衛できたときに感じる嬉しさはとても大きいです。また、防衛できないにしても簡単には攻略出来ない拠点をどうやって作るのかを考えるところに、楽しさを感じることもあります。
(というよりも、先手必勝で遠征側がひどく有利なバランスなので、慣れてくるとゲーム的な面白みは拠点襲撃(遠征)よりも拠点作成(防衛)の方が強くなります。)
作成したキャラクターを愛でるという遊びの延長には、他のキャラ(自分の作ったキャラ同士だけでなく、他のプレイヤーの作成キャラも含めて)との間に交流やストーリーがあります。
RP(ロールプレイ)用掲示板を立てて積極的にキャラ同士の掛け合い&そこから生み出されるストーリーを楽しむプレイヤーさんもいます。
また、ずっと遊んでいるとキャラクター間に自然とライバル関係が生まれていたりします。
「ものすごく防御力のあるキャラクターに挑戦するアタッカーさん」という構図が自然に(RPを意識することなく)生じ、それがだんだんとRPに発展していくこともよくあることです。
と言っても、ゲーム制作側が用意したシナリオやストーリーではありません。
作成したキャラクターを愛でるという遊びの延長には、そのキャラクターの設定・背景ストーリーを考えるという遊びがあります。
そうして考えられたストーリーを、それぞれのキャラクターのプロフィールに細かく(しかもイラスト付きで)書いているプレイヤーが多いことも英雄クロニクルの特徴の1つです。
そうした(他のプレイヤーが考えた)ストーリーやイラストを楽しむことも魅力の1つです。 そうしていろいろなものに触れていることで、自分の創作意欲が刺激されてショートストーリーを書く人もいますし、ファンアートイラストを描く人もたくさんいます。
SRPGをベースにしつつ、そこからいろいろな楽しみ方(ゲーム的な楽しさだけでなく、創作的な楽しさも)を生み出しているところが英雄クロニクルの面白いところであり、魅力かなぁ…と思います。