花の精霊の王族の一人。ホウセンカの花の精霊であり、怒ると花弁や実をばら撒いてくる。これが当たると結構痛い。並みの人間なら死んでしまうことも。
物心付いたころから、人間たちが草や木に感謝する心を失なっていること、そして、年配の草木の精霊達が「それはさだめ」として受け入れている現実に憤りを感じていた。
人間たちは花や草や木に対する感謝の心を失っている。
生きるために、切られたり、食べられたりすることなら、たしかに運命だ。納得もできる。
しかし、人間たちは、木はそこにいくらでもあると思っているようで、同族との戦いという不毛な行為のために焼いてしまう。そうして、1000年かけて育った森は1夜にして灰に変わる。
食料にも観賞用にもならない花や草は、雑草、邪魔なものとして踏み荒らされるばかりだ。
自分は花の精の王族であるが、だからと言って人間の横暴に何もできなかった。
彼女はそれが悔しかった。
ある日、彼女の宿る花のすぐそばで、人間が狩られた。しかもウサギに。
元は弱いウサギが人間を狩るということに彼女は心を惹かれる。
興味を持ったフローリカはそのウサギたちに話しかけ、人間に対抗する力をどうやって得たのか訪ねた。ウサギは最初は面倒くさそうに、やがては自慢げに、そして最後は熱心にフローリカに話をしてくれた。
最後に、ウサギはこう言った。
「もし、強くなりたいなら、私達と一緒に来ない?
私がいろいろと教えてあげるし、力もわけてあげるわ。」
こうして、ホウセンカの花の精は花の妖魔になる道を選んだ。